【第21回 2012.05.17】

学生さんに伝えたいこと

投稿者:前浜松工業会会長 中村 京市(昭和40年卒 工学部 機械科)

同窓会活動の一環として、経営システム工学の講義が始められ、5年を経過いたしました。2012年には後任にバトンタッチいたします。

自分の講義はトップバッターとして、"製造業における経営と技術のかかわり"でした。学生さんの反応は"経営あるいは経営者とは我々には遠い存在であり、経営は工学系とは関係ない"しかし、後に続く講義も含めての単位習得になるため、まずは聴いておこうという冷めた見方でした。そこで始めが肝心とわかりやすく、しつこく、具体例を交えて話しました。

そもそも、この講義の趣旨は、社会人の先輩として、後輩たちのために、社会企業の実態を知っていただき、いまの勉強に役立てていただこうということでした。よく考えてみますと、学生さんからのニーズは何にあるのでしょうか?一流企業に入るためのテクニック、企業の中の仕組み、様々な管理手法を知りたいのではないはずです。これら表面的なことでなく、企業の中でのうまくやれるかどうか、使命感が持てるかどうかの悩み、不安に、なにかヒントを与えてくれることを期待されていると感じるようになりました。

そこで、具体例の中に、自分の経験のなかで、自分が企業人として、技術者として、ある開発の岐路で悩み、結果的には間違った選択をしてしまったこともある。もっと知識と知恵があったらなー 、心の中の言い訳はある。悔しい思いを率直にかたりました。

あとで学生さんがレポートのなかで、あの開発の話、講師が悔しそうに話したのが印象に残ったと書いてくれていました。結局、仕事にたいしての自分の姿勢、態度 が 存在感、使命感を持てるかどうかの鍵であります。"工学を学び、技術に生き、生活する"

みなさんの活躍の場、一杯あります。

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