【第46回 2013.07.02】

農学部で6年過ごし、25年教えて感じたこと

投稿者:衛藤 英男(昭和45年農学部農芸化学科卒)

平成25年(2013年)3月31日をもって、静岡大学における教員生活を終えることになりました。振り返りますと、学生時代は教養部の2年間を浜松で過ごし、学部と大学院の4年間を磐田市で、教員として静岡キャンパスで25年間過ごさせていただきました。静岡大学の農学部について私見を述べたいと思います。静岡大学の良さは自由な学風であると思います。学生が明るいところが良いです。他大学の食堂には、全く食事をしているだけの暗い雰囲気のところがあります。静岡大学の理念は、「地球の未来に責任を待ち、豊かな国際感覚を備え、高い専門性を持った教養人を育成する」ことで、一般教養科目と専門(基礎)科目の履修が義務付けられています。多くの地方大学が専門学校化しているときに、基礎学力を有する人材の育成を目標としていることは非常に良いと感じています。

私事ですが、約30年ぶりに、昔のサークル(ギターアンサンブル)の同窓会に出席しました。仲間には、働き盛り中に脳梗塞や心筋梗塞になった人や、大手の企業の社長になった人まで様々な人たちの集まりでした。学生時代にまじめすぎるくらいの人達はほとんどが病気をしていました。学生時代にいろんなことにチャレンジをし、スポーツサークル、文化サークル、趣味やアルバイトに明け暮れていたものが出世しているのに驚きました。最近、週刊誌に優良企業のランキングがありました。その中には、数多くの静岡大学出身の人が社長になっていました。現在、大学ランキングは偏差値だけではなく、卒業後就職率が良いか、どんな企業に就職できているかが大学選びの基準になってきています。大学では、もちろん勉強は大切ですが、大学生活はそれだけではなく自由時間を利用して人間性を高めることが必要でしょう。また、卒業生が良い会社に就職できなければ人気がなくなり、優秀な学生が集まらないでしょう。静岡大学は、立地条件もよく、気候も温暖で、環境が良いので、もし将来道州制が始まった時には、それらを生かし、教職員と卒業生が協力して生き残るために取り組みをしなければならないと感じています。


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