吉田信行准教授(工学領域・化学バイオ工学系列)の好熱菌を用いて食物繊維を高純度化する研究が静岡新聞等で紹介されました

2018/06/11
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 吉田 信行准教授(化学バイオ工学系列)と大学院総合科学技術研究科工学専攻化学バイオ工学コース修士課程2年岩﨑 慎太郎さんは、日本食品化工(株)との共同研究で、無水糖の一種であるレボグルコサンを資化できる好熱菌を発見し、Nature Publishing Groupの国際科学オンラインジャーナルScientific Reports(2018年3月6日)に発表しました。
 食物繊維は大腸の健康に欠かせないもので、食品添加物として様々な食品中に含まれています。糖質を加熱して得られる市販のカラメルや食物繊維(難消化性グルカン、ポリデキストロース、難消化性デキストリン)の中には、高分子の食物繊維とともに、単糖類(ブドウ糖など)、オリゴ糖(いくつかの単糖がつながったもの)と共に、無水糖の一種であるレボグルコサンが含まれています。カロリーを低減し、食物繊維としての製品の質を向上させるためには、これらの低分子糖質画分を除く必要があります。吉田准教授らは、自然界からレボグルコサンを効率よく資化する好熱菌(S-2701M株)を発見し、本菌を用いて単糖類や二糖類と共にレボグルコサンを完全に除去し、食物繊維を高純度化することに成功しました。
 レボグルコサンはセルロース系バイオマスが燃焼する際に生成し、自然界で多く存在する炭水化物ですが、これまでに積極的な利用法に関する報告はありません。S-2701M株は未利用資源とも言えるレボグルコサンの有効利用にも使用できる可能性があります。

本プレスリリースは,静岡新聞(平成30年6月2日付),中日新聞(平成30年6月7日付)、日本経済新聞(平成30年6月12日)で報道されました。

吉田 信行研究室HP:
https://wwp.shizuoka.ac.jp/yoshida-cb-shizuoka/

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