FM.Hi ゆうラジ!Radio魂内「静大スタイル」に本学第三期若手重点研究者出演企画 第14回目は、工学部 新谷 政己(しんたに まさき)准教授が出演しました

2018/09/20
ニュース

 FM Hi「ゆうラジ!Radio魂(76.9MH)」内の「静大スタイル」のコーナーは、本学の公認サークル団体「CUE-FM放送研究会」が司会を務め、毎週木曜日夕方5時23分から5時53分まで放送している番組です。この番組は、私たちが学ぶ静岡大学の先生をより身近に!をコンセプトに第3期若手重点研究者に選定された教員に隔月で出演いただいています。
 今回のゲストは、工学部 新谷 政己(しんたに まさき)准教授で、9月20日(木)に生出演いただきました。

 新谷先生の専門は、「バイオサイエンス」。東京都出身です。今回は、先生の研究内容から学生時代の話など、日頃大学では、聞くことのない内容にもお話いただきました。

【この研究を行うようになったきっかけは何ですか】
学部3年生に受けた講義でプラスミドやトランスポゾンの話を聞いて、それまで頭の中で描いていた遺伝の形態とはまるで違っていたのに驚きました。それで3年生の終わりの頃、研究室を選ぶ際に、環境中における遺伝因子の伝播を卒業論文のテーマ設定にしていた研究室に進んだのがきっかけです。それ以来20年近く、形を変えながらもプラスミドにかかわる研究を続けています。

【現段階での一番大きな壁(障害)はなんですか】
自然界の多くの微生物は、人間が培養して、その数を増やすことが難しい点です。微生物は、とても小さいので、数を増やさないと取り扱いが面倒になります。今は一細胞レベルで扱うことができつつありますが、それでも培養できるに越したことはありません。培養できない微生物については、プラスミドが移動できないのか、移動しているけれども培養できないのかの判別がつきにくいからです。

【先生ご自身の研究のやりがいは何ですか】
新たな発見は大小にかかわらず面白いと思います。また、研究の最終目標があまり変わっていないせいか、技術の進歩とともにどんどん明らかになることが増えてきて、徐々に長い間の謎が解けてくるところが大変楽しく思います。そこに学生さんと共に携われれば大変幸いです。

【この研究が、人々の生活にどのように関わっていくと考えられますか】
世界各国で深刻な問題を引き起こしている薬剤耐性菌(今まで効果のあった抗生物質が効かない「悪魔の細菌」など)の蔓延等の防止策に結び付けばよいと考えています。これは、耐性遺伝子を運ぶプラスミドという「乗り物」の種類が分かれば、その「乗り物」を壊すことを可能にできるからです。また同時に、新たなプラスミドは、新たな微生物を研究する上で、とても重要な「道具」にもなります。これは、その微生物の遺伝子を人為的に壊したり、そとから新しい遺伝子を加えたりするのに、プラスミドがとても有効だからです。従って、新規有用微生物の利活用にも重要になります。

【今後の目標は何ですか】
プラスミドは発見されてから70年以上たちますが、地球上にどのようなプラスミドがどこにどれだけあるのか、よくわかっていません。また、その真の役割についても不明のままです。また、上で述べたように、我々の健康を左右する重要な遺伝因子でもあります。これからもプラスミドの研究をつづけていきたいと考えています。
【先生の授業内容や授業をするにあたって意識されていることは何ですか】
自分の専門分野に興味をもってもらうこと。
講義をきっかけに、色々自分で調べたり考えたりして欲しいと思っています。

【先生のゼミ・研究室で取り扱う分野の特徴や学生の雰囲気を教えて下さい】
環境中で微生物が進化・適応するための原動力となる遺伝因子についての研究。学生さんは基本的には楽しく研究することを第一に、学年の隔たりなく、皆仲良くしてほしいですが、ただ、いわゆる仲良しクラブにはならないように、質問や意見するべきところでそれをしやすいように、と考えています。なかなか難しいですが。

【先生ご自身はどのような学生でしたか】
学部生時代は比較的真面目な方だったかと思いますが、研究室に配属されてからは、実験などいろいろうまくいかないことに直面して、少しずつ気分転換の方法なども学んだように思います。

【1曲リクエストしてください】
アーティスト名:QUEEN
曲名:Don't Stop Me Now

▲研究について語る新谷先生

▲研究について語る新谷先生

▲収録の様子

▲収録の様子

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